R5特定建築基準適合判定資格者講習の考査問題解説⑧

ルート2主事試験過去問

3年に一度実施される特定建築基準適合判定資格者講習があります。講習を受けて、最後の終了考査に合格すると、特定建築基準適合判定資格者として、建築基準法第6条の3第1項ただし書きにある特定構造計算基準に適合するかどうかを審査することができます。

その過去問が日本建築防災協会のHPに掲載されているのですが、解説がないため解答案を作成してみようと思います。

講習の受講案内のリンク 日本建築防災協会HP

特定建築基準適合判定資格者講習|(一財)日本建築防災協会|建築物の防災並びに維持管理制度・技術の調査・研究。資格講習、耐震チェックプログラムの紹介。 (kenchiku-bosai.or.jp)

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令和5年度 問8

地上4階建て鉄筋コンクリート造建築物の1階における耐震計算ルート2の壁量・柱量の規定への適合性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、固定荷重と積載荷重の和は各階とも10,000kN、α=1.2、Z=1.0、計算方向の1階の各部材の水平断面積の総和は耐力壁(無開口)3m²、柱10m²、そで壁(45cm以上かつ開口高さ30%以上のもの)3m²、耐力壁以外のRC造壁3m²とする。
1.ルート2-1、ルート2-2のいずれについても壁量・柱量の規定を満足する。
2.ルート2-1の壁量・柱量の規定は満足するが、ルート2-2の規定は満足しない。
3.ルート2-2の壁量・柱量の規定は満足するが、ルート2-1の規定は満足しない。
4.ルート2-1、ルート2-2のいずれについても壁量・柱量の規定を満足しない。

【過去の考査問題の出典】

出典:令和5年度 特定建築基準適合判定資格者講習 修了考査結果 2.考査問題 から引用しました。

令和5年度 特定建築基準適合判定資格者講習 修了考査結果|(一財)日本建築防災協会|建築物の防災並びに維持管理制度・技術の調査・研究。資格講習、耐震チェックプログラムの紹介。 (kenchiku-bosai.or.jp)

解答(案)

解答は、4(ルート2-1・ルート2-2のいずれも壁量・柱量の規定を満足しない)。

前提:α=1.2、Z=1.0、1階が支える重量 W=4階×10,000=40,000kN、Ai=1.0(1階なので1.0)。判定式と右辺は次のとおりです。

ルート2-1:Σ2.5・α・Aw + Σ0.7・α・Ac ≧ 0.75・Z・W・Ai → 右辺=0.75×40,000=30,000kN
ルート2-2:Σ1.8・α・Aw + Σ1.8・α・Ac ≧ Z・W・Ai → 右辺=40,000kN
(R5講習テキスト RC-p.2・p.4・p.10)

カギは Ac(柱量)の範囲です。ルート2-2のAcは「柱のみ」で、耐力壁以外のRC造壁(雑壁)は含めません(ルート2-1のAcは「柱+耐力壁以外の壁」)。雑壁を安易に足すと誤って「満足」と判定してしまいます。

解説

ルート2-2の検証(右辺40,000kN)
Aw=耐力壁(無開口)3m²=3×10⁶mm²、Ac=柱10m²=10×10⁶mm²。
左辺=1.8×1.2×(3+10)×10⁶=2.16×13×10⁶=28,080kN < 40,000kN → 不満足
(そで壁3m²を耐力壁に加えても 2.16×16×10⁶=34,560kN<40,000kNで不満足。雑壁3m²まで足して初めて41,040kNになりますが、ルート2-2のAcは柱のみなので雑壁は算入できません。)

ルート2-1の検証(右辺30,000kN)
左辺=2.5×1.2×Aw + 0.7×1.2×Ac。Aw=3×10⁶mm²、Ac=柱10+雑壁3=13×10⁶mm²。
=3.0×3×10⁶ + 0.84×13×10⁶=9,000+10,920=19,920kN < 30,000kN → 不満足
(そで壁を耐力壁に算入して最大限見積もっても約28,900kNで30,000kN未満。)

したがって——

1.✕(不適切) いずれも満足する、は誤り(どちらも不満足)。

2.✕(不適切) ルート2-1を満足する、は誤り(2-1は不満足)。

3.✕(不適切) ルート2-2を満足する、は誤り。雑壁を除いて正しく計算すると2-2も不満足。ここが本問のひっかけです。

4.〇(適切)👉 これが正答 ルート2-1・ルート2-2のいずれも満足しない。

ポイント

  • ルート2-1の右辺は 0.75・Z・W・Ai(0.75を忘れない)。ルート2-2の右辺は Z・W・Ai。
  • ルート2-2のAcは「柱のみ」。耐力壁以外のRC壁(雑壁)は算入しない。ルート2-1のAcは「柱+耐力壁以外の壁」。
  • そで壁・無開口壁・雑壁の区分を正確に押さえることが、本問の肝。

※解答案は管理人による検討結果です。計算の前提・各部材の区分はお手元の技術基準解説書でもご確認ください。

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