3年に一度実施される特定建築基準適合判定資格者講習があります。講習を受けて、最後の終了考査に合格すると、特定建築基準適合判定資格者として、建築基準法第6条の3第1項ただし書きにある特定構造計算基準に適合するかどうかを審査することができます。
その過去問が日本建築防災協会のHPに掲載されているのですが、解説がないため解答案を作成してみようと思います。
講習の受講案内のリンク 日本建築防災協会HP
特定建築基準適合判定資格者講習|(一財)日本建築防災協会|建築物の防災並びに維持管理制度・技術の調査・研究。資格講習、耐震チェックプログラムの紹介。 (kenchiku-bosai.or.jp)
本ページはプロモーションが含まれています
令和5年度 問21
鉄筋コンクリート造建築物のX方向がルート2-1又はルート2-2で耐震計算されている事例について、以下の【問21-1】及び【問21-2】の各設問に答えよ。
※軸組図、柱リスト、大ばりリスト、壁リスト、そで壁部分の拡大図、層間変形角・剛性率・偏心率・壁量柱量の各表は、日本建築防災協会公式PDFをご参照ください。
【過去の考査問題の出典】
出典:令和5年度 特定建築基準適合判定資格者講習 修了考査結果 2.考査問題 から引用しました。
解答(案)
判定は【問21-1】ルート2-1=〇〇〇〇×/ルート2-2=〇〇〇〇〇、【問21-2】=〇〇×〇。以下、各項目の理由です。
【問21-1】 ルート2-1・2-2の適用条件 判定
ルート2-1・2-2の確認項目(R5講習テキスト RC-p.2・p.4、2020年版 建築物の構造関係技術基準解説書 6.3.3)に照らして判定します。
(2) 建築物の高さ 軒高約20.65m(20.15m+500mm)≦31m → ルート2-1:〇、ルート2-2:〇(いずれも高さ31m以下が条件)
(3) 層間変形角 表1.1より最大1/3040(2階)で、全階1/200以下を満足 → ルート2-1:〇、ルート2-2:〇
(4) 剛性率 表1.2より最小0.692(2階)。ルート2-1・2-2とも剛性率Rs≧6/10(0.6以上)が条件であり、全階満足 → ルート2-1:〇、ルート2-2:〇
(5) 偏心率 表1.3より最大0.007で、全階Re≦15/100(0.15以下)を満足 → ルート2-1:〇、ルート2-2:〇
(6) 壁量・柱量 判定式はルート2-1:Σ2.5αAw+Σ0.7αAc ≧ 0.75ZWAi/ルート2-2:Σ1.8αAw+Σ1.8αAc ≧ ZWAi。表1.4より(1)式=14,550kN、(2)式=23,910kN、1階のZWAi=20,602kN、0.75ZWAi=15,451kN。
ルート2-1:14,550kN < 0.75ZWAi=15,451kN → ×
ルート2-2:23,910kN ≧ ZWAi=20,602kN → 〇
(0.75が付くのはルート2-1の側である点に注意)
【問21-2】 そで壁W150の構造規定 判定
そで壁の構造規定(R5講習テキスト RC-p.5・p.7、昭55建告第1791号第3第一号ロ)に照らして判定します。
そで壁の長さ 図1.5より長さ1,000mm ≧ 45cm(かつ開口高さの30%以上) → 〇
そで壁の厚さ 図1.4より壁厚150mm ≧ 15cm(ルート2-2の規定) → 〇
そで壁の壁筋の配置 図1.4より縦筋D13@200・横筋D13@200ともに「シングル」配筋。ルート2-2では構造耐力上主要なそで壁は複配筋が必要 → ×
そで壁のせん断補強筋比 D13(127mm²)÷(壁厚150mm×ピッチ200mm)≒0.42%。ルート2-2のそで壁のせん断補強筋比の規定は0.4%以上であり、これを満足 → 〇
ポイント
- 壁量・柱量の判定式はルート2-1が「≧0.75ZWAi」、ルート2-2が「≧ZWAi」。0.75をどちらに掛けるか混同しない。
- 剛性率(Rs≧0.6)・偏心率(Re≦0.15)はルート2-1・2-2共通の条件。
- ルート2-2のそで壁は厚さ15cm以上・複配筋・せん断補強筋比0.4%以上(昭55建告1791号第3)。本事例はシングル配筋の1点だけが×。
最後にルート2主事試験に持ち込み可能な図書の紹介
修了考査時に持込可能な図書なので、考査時までに購入しておくのがおすすめです。
この記事がお役に立ちましたら、上のリンクを経由してお買い物(紹介した解説書以外の商品でも大丈夫です)をしていただけると、売上の一部がブログの運営費になり、記事の更新を続ける支えになります。応援いただけるとうれしいです。

コメント