一級建築士の法令集、線引きはいつ・どこまでやる?11月に買って2月中旬に終える段取り

一級建築士試験

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法令集の線引きは、面倒な下準備だと思われがちです。

でも実際は違います。線引きは、法文の最初の通読です。 ここをただの作業にしてしまうか、勉強の時間にできるかで、法規の伸び方がまったく変わります。

こんにちは。構造設計をしていた一級建築士です。

この記事では、法令集をいつ買っていつまでに線を引くかという段取りと、長い条文が読めないときの具体的な対処、そしてうっかりやると試験当日に法令集が使えなくなる書込みについてお伝えします。

法令集は11月上旬に発売されます。年内に買って、2月中旬までに線引きを終える。

そして、線を引きながら条文を読む。これが法規の最初の一歩です。


法令集は「11月上旬」に発売されます

まず、意外と知られていない事実から。

各社の法令集は、試験のある年の前年11月上旬に出ます。

出版元令和8年版の発売
総合資格学院2025年11月2日
TAC2025年11月5日
建築資料研究社(オレンジ本)同時期

「年が明けてから買おう」と思っている方が多いのですが、すでに2か月前から手に入ります。

そして、この2か月は驚くほど大きい差になります。線引きは、思っているより時間がかかるからです。


線引きは「作業」ではなく「最初の通読」です

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。

線引きを、見本どおりに線を引くだけの単純作業にしてしまうと、何時間かけても何も残りません。 手だけが疲れて、条文の中身は一切頭に入っていない、という状態になります。

そうではなく、線を引きながら、その条文を読んでください。

  • この条文は、何について書いてあるのか
  • どこが原則で、どこが例外なのか
  • なぜここに線を引くのか

これを考えながら引くと、線引きがそのまま法規の1周目になります。

法規は、条文の場所を覚えるより先に「どこに何が書いてあるかの地図」が頭に入っているかどうかで、引く速さがまるで変わります。その地図を作る作業が、線引きなのです。

もちろん、全部を理解しながら進める必要はありません。分からないところは飛ばして構いません。「読みながら引く」という姿勢だけ持っていてください。


段取り:11月に買って、2月中旬に終える

具体的なスケジュールです。

時期やること
11月上旬発売。ここで買う
11月〜12月線引きを始める。平日は少しずつ
年末年始まとまった時間が取れる山場
1月残りを進める
2月中旬線引き完了
2月〜完成した法令集で、法規の問題演習に入る

なぜ2月中旬なのか。

試験は7月です。そこから逆算すると、法規の演習に使える期間は2月中旬から5か月弱。法規は引く練習を積んだ分だけ速くなる科目なので、この5か月をまるごと確保したいのです。

線引きが4月までかかると、演習期間が3か月を切ります。ここで差がつきます。


線引きの見本は、3,000円の法令集に付いてきます

「どこに線を引けばいいか分からない」——これは、法令集の選び方だけで解決します。

資格学校が出している法令集には、線引きの見本が用意されています。

法令集判型価格(税込)線引き・インデックス
総合資格学院 法令編B52,750円線引き見本をWeb公開/購入者登録でインデックス・アンダーライン帳
TAC 建築基準関係法令集B53,080円線引き集を全ページ分PDFで無料提供/インデックスシール付属
日建学院(オレンジ本)B53,000円前後カラーインデックス付属/購入者全員にアンダーライン集

自己流でゼロから考えると数十時間を溶かすところが、3,000円で片づきます。

法令集の選び方については、一級建築士は独学で受かる?でも書きましたので、あわせてご覧ください。


長い条文が読めないときの対処

線引きをしていると、必ずぶつかる壁があります。

かっこ書きが長すぎて、文章の骨格が見えない。

建築基準法の条文は、かっこの中にさらに条件が入り、その中にまたかっこが入る、という構造をしています。読んでいるうちに、主語がどこに掛かっていたのか分からなくなります。

かっこ書きを「囲み枠」で囲んでみてください

対処法は単純です。かっこ書きの部分を、囲み枠で囲ってしまうのです。

囲んでしまえば、目が自然にそこを飛ばすようになり、本文の骨格だけがつながって読めます。

「〜は、(……)……しなければならない。」

この、かっこの中を一度カッコに入れて外して読む。それだけで、条文は驚くほど素直な文章になります。

そして、この「囲み枠」は試験でも認められている書込みです。(後述の条件2ハに明記されています)

マーカーで塗る方法もありますが、持込み用にはおすすめしません

同じ効果は、かっこ書きをグレーのマーカーで薄く塗ることでも得られます。塗ってしまえば本文だけが浮かび上がるので、読みやすさでいえばこちらが上かもしれません。

ただ、試験に持ち込む法令集には、この方法はおすすめしません。

後述するとおり、認められる書込みとして明記されているのは「アンダーライン(二重線、囲み枠含む)」と「〇、△、×の記号」です。塗りつぶしは列挙されていません。

禁止と明記されているわけでもないのですが、そこを賭ける場面ではありません。試験当日に法令集が使えないという事態のリスクに対して、得られるものが小さすぎます。

どうしても塗って理解したい場合は、

  • 消せるペン(フリクション)で塗り、試験前に消す
  • 塗るのは自宅用に留め、持込み用の法令集はきれいに保つ

このどちらかにしてください。法文に慣れるまでの道具と割り切るのが安全です。


試験に持ち込める法令集の条件(必ず確認してください)

ここは、知らないと本当に危ないところなので、公式の内容をそのまま整理します。

建築技術教育普及センターが示している条件は、次の2つです。

条件1:条文等の順序の入替及び関連条文等の挿入を行っていないこと(条文等の省略は認められる)

条件2:次に掲げる簡単な書込み及び印刷以外に解説等を付していないこと

認められる書込み
目次、見出し及び関連法令・条文等の指示(法令、章、節、条等の名称、番号及び掲載ページを限度とする)
改正年月日
アンダーライン(二重線、囲み枠含む)
〇、△、×の記号

認められるのは、この4つだけです。

いちばん怖いのは「紛らわしい書込み」

センターは、こう注意しています。

紛らわしい書込みをした持込み法令集については、使用が認められない場合又は使用が認められたとしても判断に時間がかかり判断結果が出るまでは法令集なしでの受験となる場合があります

これが本当に怖いところです。

「没収される」だけでなく、判断が出るまで法令集なしで解くことになる可能性がある。法規の試験で法令集が手元にない時間があるというのは、それだけで致命傷です。

グレーの塗りつぶしを避けたほうがいいと書いたのは、この一文があるからです。

そのほか、知っておきたいこと

  • 法令集は2冊まで使えます(法令編と告示編を両方持ち込めます)。追録・追補・訂正表がある場合は追加できます
  • ホームページから法文を印刷したものや、法令集をコピーしたものは使えません
  • 別表を条文の隣に貼る、図解や早見表を書き込む——これらは条件違反の例として公式に示されています

最新の条件は、必ず建築技術教育普及センターの公表資料でご確認ください。 年度によって取扱いが変わることがあります。


テキストと法令集を、行き来しながら進める

最後に、線引きを「読む時間」にするための工夫をひとつ。

条文だけを読んでも、初めのうちは何を言っているのか分かりません。テキストの解説と条文を、行き来しながら進めるのが結局いちばん早いです。

テキストで「こういう制限がある」と読んでから条文に戻ると、あの読みにくい文章が「ああ、このことか」と像を結びます。この往復の回数が、法規の理解の深さになります。

もし受講する講座に紙のテキストが付かない場合は、市販のテキストを1冊手元に置いておくと、この往復がやりやすくなります。法令集の横に開いておけるという意味で、紙には紙の強みがあります。


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まとめ

  • 法令集は前年11月上旬に発売される。年明けを待つ必要はない
  • 線引きは作業ではなく、法文の最初の通読。線を引きながら条文を読む
  • 11月に買い、年末年始を山場にして、2月中旬までに終える
  • そうすれば、2月中旬から5か月弱を法規の演習にまるごと使える
  • 線引きの見本は、3,000円前後の資格学校の法令集に付いてくる
  • 長い条文は、かっこ書きを囲み枠で囲むと本文の骨格が読める
  • マーカーでの塗りつぶしは、持込み用にはやらない。認められる書込みに列挙されていない
  • 認められるのはイ〜ニの4つだけ。紛らわしい書込みは、法令集なしで受験になる場合がある
  • 法令集は2冊まで持ち込める。コピーや印刷したものは不可
  • 条件は年度で変わることがあるので、必ず公式資料で確認する

法令集は、試験当日に唯一持ち込める武器です。

その武器を、11月から2月まで4か月かけて自分の手で作る。 遠回りに見えて、これが法規でいちばん確実な道だと思います。


あわせて読みたい

参考にした情報

  • 建築技術教育普及センター「資料3『学科の試験』及び『設計製図の試験』において使用が認められる法令集について」(令和8年)
  • 総合資格学院 出版サイト/TAC出版/建築資料研究社 各法令集の商品ページ(2026年8月確認)

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