3年に一度実施される特定建築基準適合判定資格者講習があります。講習を受けて、最後の終了考査に合格すると、特定建築基準適合判定資格者として、建築基準法第6条の3第1項ただし書きにある特定構造計算基準に適合するかどうかを審査することができます。
その過去問が日本建築防災協会のHPに掲載されているのですが、解説がないため解答案を作成してみようと思います。
講習の受講案内のリンク 日本建築防災協会HP
特定建築基準適合判定資格者講習|(一財)日本建築防災協会|建築物の防災並びに維持管理制度・技術の調査・研究。資格講習、耐震チェックプログラムの紹介。 (kenchiku-bosai.or.jp)
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令和5年度 問20
ルート2同等の計算基準で耐震計算されたCLTパネル工法建築物に対して、法第6条の3第1項ただし書きの規定による審査を行う場合について、次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.2階建てのCLTパネル工法建築物の平成28年国土交通省告示第611号(以下、「告示」という。)第5第三号イに適合する耐力壁による架構(小幅パネル架構)において通し壁耐力壁を採用しており、適切と判断した。
2.十分な縁端距離を確保した30cm四方の設備用開口を設けた幅1mの耐力壁が耐力を低減して許容耐力に算入されており、適切と判断した。
3.告示第5第三号イに適合する耐力壁による架構(小幅パネル架構)によるCLTパネル工法建築物において、耐力壁-基礎間の引張接合部の応力割り増し係数をすべて1.0として計算しており、適切と判断した。
4.5階建てのCLTパネル工法建築物に告示第5第三号ロに適合する耐力壁による架構(大版パネル架構①)を採用しており、適切と判断した。
【過去の考査問題の出典】
出典:令和5年度 特定建築基準適合判定資格者講習 修了考査結果 2.考査問題 から引用しました。
解答(案)
解答は、2(最も不適切なもの)。
本問は、CLTパネル工法の令和4年改正(平28国交告第611号の改正)の内容を正しく押さえているかを問う問題です。カギは、耐力壁に設けられる小開口の上限が25cm角以下であること。
解説
1.〇(適切)
2以上の階にわたって連続して設置される耐力壁(通し壁)は、改正(令和4年11月8日施行)によりルート2同等又はルート1同等の構造計算で使用可能となりました(改正前はルート3または限界耐力計算が必要)。小幅パネル架構での通し壁耐力壁の採用は適切。(R5講習テキスト W-p.9 c))
2.✕(不適切)👉 これが正答
耐力壁に設けることができる開口部の寸法は、改正により24cm角以下から25cm角以下へ緩和され、この範囲の開口を設けた耐力壁が許容耐力に算入可能とされました。本肢の30cm四方の設備用開口はこの上限を超えており、縁端距離を確保していても、耐力を低減しても、許容耐力に算入することはできません。(R5講習テキスト W-p.10 f)、平28国交告第611号)
3.〇(適切)
小幅パネル架構・大版パネル架構①の耐力壁-基礎間の引張接合部の応力割増係数は、改正によりすべて1.0に合理化されました(改正前は無開口壁パネル等の長さに応じ1.3/1.6/1.8)。「すべて1.0」は改正後の規定どおりで適切。改正前の数値を覚えていると誤って不適切と判断してしまう、本問のひっかけです。(R5講習テキスト W-p.9 d))
4.〇(適切)
告示第5第三号イ・ロに適合する耐力壁による架構のルート2同等の構造計算の適用範囲は、改正により「13m超31m以下かつ3階以下」から「13m超31m以下かつ6階以下」へ拡大されました。5階建てへの大版パネル架構①の採用は適用範囲内で適切。(R5講習テキスト W-p.9 a))
ポイント
- CLTパネル工法は令和4年の告示改正で大きく合理化:①ルート2同等が6階以下まで②通し壁がルート1・2で使用可能③耐力壁-基礎引張接合部の割増係数1.0④小開口25cm角以下は算入可能。
- 開口の上限は25cm角。それを超える開口(本問の30cm四方)を設けた耐力壁は許容耐力に算入できない。
- 改正前の数値(割増1.3〜1.8、24cm角、3階以下)と混同させるのが本問の狙い。
最後にルート2主事試験に持ち込み可能な図書の紹介
修了考査時に持込可能な図書なので、考査時までに購入しておくのがおすすめです。
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