3年に一度実施される特定建築基準適合判定資格者講習があります。講習を受けて、最後の終了考査に合格すると、特定建築基準適合判定資格者として、建築基準法第6条の3第1項ただし書きにある特定構造計算基準に適合するかどうかを審査することができます。
その過去問が日本建築防災協会のHPに掲載されているのですが、解説がないため解答案を作成してみようと思います。
講習の受講案内のリンク 日本建築防災協会HP
特定建築基準適合判定資格者講習|(一財)日本建築防災協会|建築物の防災並びに維持管理制度・技術の調査・研究。資格講習、耐震チェックプログラムの紹介。 (kenchiku-bosai.or.jp)
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令和2年度 問14
ルート2で耐震計算されたラーメン構造の鉄骨造建築物の露出型柱脚の設計に対して、法第6条の3第1項ただし書の規定による審査を行う場合について、次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- ピンに近い形状の露出型柱脚に対して、柱脚をピンと仮定した場合の柱頭曲げモーメントの3割が柱脚に作用すると仮定して設計を行っていることについて、不適切であると判断した。
- 露出型柱脚のアンカーボルトの基礎に対する定着長さが径の20倍以上であり、かつ、その先端がかぎ状に折り曲げられていることについて、適切であると判断した。
- 保有耐力接合と判定されていた400ニュートン級炭素鋼を用いた露出型柱脚において、露出型柱脚の最大曲げ耐力Mu が柱の全塑性曲げモーメントMpcの1.25倍であり、安全率が1.2以上となっていることについて、適切であると判断した。
- 保有耐力接合でないと判定されていた露出型柱脚において、柱脚に作用する地震力による応力を2倍して柱脚の終局耐力の確認を行っていることについて、適切であると判断した。
【過去の考査問題の出典】
出典:令和2年度 特定建築基準適合判定資格者講習 修了考査結果 2.考査問題 から引用していました。現在は、考査問題は公表されておりませんが、結果は公表されております。
解答(案)
解答案は、3
解説
- 2020年版 建築物の構造関係技術基準解説書(以下 黄色本)p364.6.3.3(2)ⅲ)L15~18、付録1-2.6(2)①p634、L29~32、適切。
- 令第66条、H12建告第1456号第1号ハ、適切。
- 黄色本、付録1-2.6(2)②ⅱ)フローの③p637、L34~p638、L1、付録1-2.4[具体的計算方法](3)ⅰ)付表1.2-2、α値、仕口部、400ニュートン級炭素鋼、p625、L21~p626、L6からαは1.3となり、1.2倍ではないため、不適切。
- 黄色本、付録1-2.6(2)②ⅱ)フローの④p638、L5~15、p637の(付1.2-22)式のγ=2倍程度であるため、適切。
最後にルート2主事試験に持ち込み可能な図書の紹介
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修了考査時に持込可能な図書なので、考査時までに購入しておくのがおすすめです。
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