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「今年は仕事が忙しいから、勉強は少し減らそう」
一級建築士を目指す社会人なら、一度は考えることだと思います。
こんにちは。構造設計をしていた一級建築士です。
私は、受験できるようになった年から一級建築士の試験を受けはじめました。そして、何度も落ちました。
設計の仕事は残業が多く、私もずっとそうでした。忙しい時期は勉強を減らしました。そして、減らした年は、減らした分だけ結果がついてきませんでした。
この記事では、合格するまでに私が失敗したこと、そして「今ならこうする」と思うことを、正直に書きます。
先に結論を書きます。
忙しい年ほど、勉強を減らすのではなく「仕事のほう」を調整してください。
そして、勉強は「気合い」ではなく「予定表」で続けてください。
忙しい年に勉強を減らしたら、結果はついてきませんでした
最初に、いちばん伝えたい失敗から書きます。
仕事が立て込んだ時期、私は「今は仕方ない」と勉強を減らしていました。締切前の残業が続けば、帰ってから机に向かう気力は残りません。
気持ちとしては、今でも仕方なかったと思います。
でも、試験の結果ははっきりしていました。やらなかった分は、そのまま点数に出ました。
一級建築士の学科は5科目・125問あり、覚えることの量がとても多い試験です。どこかで勉強を止めると、止めていた間に覚えたことを忘れ、戻ってきたときには取り返すところから始めることになります。
試験は、こちらの仕事の事情を考えてはくれません。
これを認めるところから、続け方の話が始まります。
周りに伝えて、仕事を調整してもらう
では、忙しい年はどうすればいいのか。
私が合格した年は、たまたま残業があまりない年でした。正直に言えば、運が良かったのです。
でも、今ならその「運」を自分で作りにいきます。つまり、周りに受験することを伝えて、仕事を調整してもらうということです。
- 上司に「今年は一級建築士を受けます」と先に伝えておく
- 試験前の数か月は、大きな締切が重ならないように相談する
- 同僚にも伝えておき、定時で帰る日を作りやすくする
「落ちたら気まずい」と思う方もいるかもしれません。私もそう思っていました。
でも、一級建築士を目指していることを悪く言う職場は、まずないと思います。事務所にとっても、一級建築士が増えることはプラスだからです。黙って残業を引き受けて、黙って落ちるよりは、ずっといいと今は思います。
予定表は「理想」で書く
次に、今いちばんおすすめしたいのが予定表を作ることです。
ポイントは、理想で書き込むことです。
- 「平日は毎日2時間」
- 「今週は法規の第○章まで」
- 「3月から過去問」
実際には、その通りには進みません。残業が入る日もあれば、体調を崩す日もあります。
それでいいのです。予定表の役目は、その通りにやることではなく、「本来どこまで進んでいるはずか」を見えるようにすることです。
理想と現実のずれが見えていれば、週末で取り返すことも、翌月の予定を組み直すこともできます。予定表がないと、遅れていることにすら気づかないまま試験の日を迎えてしまいます。
できなかった日を責めない
理想で書くのですから、できない日があって当然です。
予定表に空白ができても、自分を責めないでください。責めるのは続けるうえでいちばんの無駄です。次の日から、また予定表に戻ればいいだけです。
集中できない夜は、あきらめて寝る
私の平日の机の時間は、夜9時から11時くらいの2時間が多かったと思います。
ただ、毎日この2時間が使えたわけではありません。疲れて、問題文を読んでも頭に入らない日もありました。
そういう日は、あきらめて寝ていました。
眠い頭で机に向かっても、文字を目で追っているだけで、何も残りません。それなら早く寝て、翌日の朝や昼休みに取り返したほうがいいと考えています。
大事なのは、寝た日を「サボった日」にしないことです。そのために、次の「スキマ時間」があります。
過去問を回すだけでなく、テキストに戻る
これは、振り返っていちばん後悔していることです。
私の勉強は、毎年ほとんど同じ形でした。
- 1月から法令集に線引きをする
- 3月から過去問を解く
- それを試験まで繰り返す
過去問を繰り返すこと自体は、間違っていないと思います。ただ、過去問を解いて、答えを覚えて、次の問題へという流れになっていました。
今思えば、間違えた問題のたびに、テキストに戻ればよかったのです。
過去問は、毎年まったく同じ形では出ません。答えだけを覚えていると、少し聞き方を変えられただけで解けなくなります。間違えた問題のまわりをテキストで読み直しておけば、聞き方が変わっても答えられる知識になります。
今なら、始める時期も早めます
1月から線引きを始めると、過去問に入るのが3月になり、テキストに戻る余裕がなくなります。
今なら、法令集が発売される11月から始めて、線引きは2月中には終わらせます。 そのぶん過去問とテキストを行き来する時間が増えます。線引きの段取りは、一級建築士の法令集、線引きはいつ・どこまでやる?に詳しく書きました。
スキマ時間と、机の時間の分け方
最後に、1日の時間の使い方です。
夜に机に向かえない日があっても続けられるように、勉強の内容を「どこでできるか」で分けておくことをおすすめします。
| 時間帯 | 向いている勉強 |
|---|---|
| スキマ時間(通勤・昼休み) | 計画・施工・環境設備の暗記、構造の知識問題、法規の数値の暗記 |
| 夜の机の時間 | 法令集を引く法規、構造の計算、環境設備の計算 |
| 週末 | 法規を時間を計って解く練習、1週間の取り返し |
ここで注意したいのは、科目ごとではなく「問題のタイプ」で分けることです。
- 構造は計算のイメージが強いですが、材料や構造の決まりなど、文章で答える知識問題も多い科目です。こちらはスキマ時間で回せます
- 環境設備は暗記が中心ですが、計算問題も出ます。計算は机で取り組んでください
私は平日も机で2時間を目標にしていましたが、暗記をスキマ時間に回せば、机の時間は40分でも回せます。平日の時間の作り方は、一級建築士の勉強時間、社会人はどう作る?で詳しく計算しています。
スキマ時間は「読む」より「解く」
私が受験していた頃は、今のようなスマホはありませんでした。スキマ時間に使っていたのは、紙の問題集です。
スキマ時間は、テキストを読むだけで終わりがちです。でも、覚えたことが身につくのは、問題を解いて思い出したときです。通勤電車でも昼休みでも、できるだけ「解く」時間にしてください。
今なら、スマホで講義も過去問も進められる講座があります。夜に寝てしまった日も、翌日の通勤で取り返せます。当時の私にあったら、使っていたと思います。
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忙しい日もゼロにしたくない方へ
スタディングは、講義も過去問もスマホで進められるオンライン講座です。夜に机に向かえなかった日も、通勤時間や昼休みに問題を解いて取り返せます。学科対策コースは79,800円(税込)です。
よくある質問
残業続きで、平日は1時間も取れません。それでも受けるべきですか?
受けるかどうかより先に、職場に相談できる余地がないかを考えてみてください。それでも難しい年は、スキマ時間で暗記だけは止めないことをおすすめします。完全に止めてしまうと、再開したときに取り返すところから始まります。
職場に受験を伝えて、落ちたら気まずくないですか?
気まずさは、正直あります。ただ、黙っていて仕事を調整できずに落ちるほうが、後悔は大きいと思います。一級建築士を目指すこと自体は、職場にとっても歓迎されることが多いはずです。
疲れて集中できない夜は、無理にでも机に向かうべきですか?
私は、あきらめて寝ていました。頭に入らない状態で机に座っていても、時間を使ったという満足感しか残りません。そのかわり、翌日のスキマ時間で取り返すと決めておいてください。
テキストに戻るとは、具体的に何をすればいいですか?
過去問を間違えたら、その問題の答えの部分だけでなく、前後の数ページを読み直すことです。似た数値や、よく比べて出される内容が近くに書かれていることが多く、次に聞き方を変えられても答えられるようになります。
何月から始めるのがいいですか?
11月からをおすすめします。 法令集が発売され、学科試験の7月まで約9か月あります。詳しくは一級建築士の学科に落ちた。来年どうする?でも書いています。
まとめ
- 忙しい年に勉強を減らすと、減らした分だけ結果に出る
- 減らすのではなく、周りに伝えて仕事のほうを調整してもらう
- 予定表は理想で書く。役目は「本来どこまで進んでいるはずか」を見えるようにすること
- できなかった日を責めない。集中できない夜は寝て、翌日のスキマ時間で取り返す
- 過去問を回すだけでなく、間違えたらテキストに戻る(私のいちばんの後悔)
- 11月に始めて、法令集の線引きは2月中に終える
- 勉強は科目ではなく問題のタイプで分ける。暗記はスキマ時間、法規と計算は机で
- スキマ時間は「読む」より「解く」
何度も落ちた私が言うのもおかしな話ですが、だからこそ言えることもあると思っています。
合格した年に特別な才能が身についたわけではありません。続けられる形が、たまたまそろっただけです。
その形を、運ではなく自分で作りにいってください。

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