特定建築基準適合判定資格者講習の考査問題解説③

3年に一度実施される特定建築基準適合判定資格者講習があります。講習を受けて、最後の終了考査に合格すると、特定建築基準適合判定資格者として、建築基準法第6条の3第1項ただし書きにある特定構造計算基準に適合するかどうかを審査することができます。

その過去問が日本建築防災協会のHPに掲載されているのですが、解説がないため解答案を作成してみようと思います。

講習の受講案内のリンク 日本建築防災協会HP

特定建築基準適合判定資格者講習|(一財)日本建築防災協会|建築物の防災並びに維持管理制度・技術の調査・研究。資格講習、耐震チェックプログラムの紹介。 (kenchiku-bosai.or.jp)

令和2年度 問3

令第 82 条の6第二号ロに規定する偏心率の計算に関する次の記述において、ア欄に入る数値として、最も適切なものはどれか。

図のように4本の柱が水平力抵抗要素である層がある。スパンはX方向に8m、Y方向に6mで、1×1スパンの平面を有している。柱の高さはすべて5mで、柱の断面はすべて同一寸法の正方形である。柱が支える上階の重心の平面上の位置は、その層の剛心からX方向に0m、Y方向に0.5mの所にある。大ばりはすべて剛と仮定して求めた、その階のX方向の偏心率Rexの値は、 [ア] である。

  1. 0.083
  2. 0.100
  3. 0.125
  4. 0.167

【過去の考査問題の出典】

出典:令和2年度 特定建築基準適合判定資格者講習 修了考査結果 2.考査問題 から引用していました。現在は、考査問題は公表されておりませんが、結果は公表されております。

令和2年度 特定建築基準適合判定資格者講習 修了考査結果|(一財)日本建築防災協会|建築物の防災並びに維持管理制度・技術の調査・研究。資格講習、耐震チェックプログラムの紹介。 (kenchiku-bosai.or.jp)

解答(案)

解答案は、2

急な計算問題なので、戸惑いますが、式がわかれば解ける問題になります。

解説

根拠法令は、令第 82 条の6第二号ロ、H19告示第594号第5になると思います。

偏心率の計算方法は、下で図書の紹介をしている建築物の構造関係技術基準解説書(以下 黄色本)6.2.3(3)2)(p.336~338)に記載されています。

座標の原点を左下の柱に想定する。

初めに①重心を求めるが、問題の図に与えられており、gx=4.0m、gy=3.5mとなる。

②剛心は、柱の高さはすべて5mで、柱の断面はすべて同一寸法の正方形であると与えられており、水平剛性Kも等しくなると考えると、柱間の中心となるため、lx=4.0m、ly=3.0mとなる。

③偏心距離eは、重心g及び剛心lの座標から次式で計算できる。

 ex=|lxーgx|=|4.0ー4.0|=0

 ey=|lyーgy|=|3.0ー3.5|=0.5

④ねじり剛性KRは、剛心周りに計算を行うので、座標の平行移動により剛心を座標原点とし、新しい座標系をX|(←Xの上棒のやり方がわからなかったので、横に棒に変えてます。Yも同じ)、Y|とすると各耐震要素の座標系は、次のようになる。

 X|=X-lx

 Y|=Y-ly

 X,Yは、水平剛性Kとなる柱が、左下の柱を原点としたときに柱がある位置

柱の高さはすべて5mで、柱の断面はすべて同一寸法の正方形であると与えられているため、水平剛性Kは、X方向、Y方向とも柱1本あたり1と仮定する。

KR=Σ(Kx・Y|²)+Σ(Ky・X|²)

 =(1×-3²+1×-3²+1×3²+1×3²)+(1×-4²+1×-4²+1×4²+1×4²)=100

⑤弾力半径reは、

rex=√(KR/ΣKx)=√[(Σ(Kx・Y|²)+Σ(Ky・X|²))/ΣKx]

  =√(100/(1×4本))=5

rey=√(KR/ΣKy)=√[(Σ(Kx・Y|²)+Σ(Ky・X|²))/ΣKy]

  =√(100/(1×4本))=5

⑥偏心率Reの計算

 Rex=ey/rex=0.5/5=0.1・・・よって、解答は2.0.100が適切

 Rey=ex/rey=0/5=0

Y方向は、記載しないほうがわかりやすかった?かと思いますが、eyの値を使うため、X,Y両方向を記載して解いていくようになると思います。

最後にルート2主事試験に持ち込み可能な図書の紹介

2020年版 建築物の構造関係技術基準解説書

修了考査時に持込可能な図書なので、考査時までに購入しておくのがおすすめです。

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