3年に一度実施される特定建築基準適合判定資格者講習があります。講習を受けて、最後の終了考査に合格すると、特定建築基準適合判定資格者として、建築基準法第6条の3第1項ただし書きにある特定構造計算基準に適合するかどうかを審査することができます。
その過去問が日本建築防災協会のHPに掲載されているのですが、解説がないため解答案を作成してみようと思います。
講習の受講案内のリンク 日本建築防災協会HP
特定建築基準適合判定資格者講習|(一財)日本建築防災協会|建築物の防災並びに維持管理制度・技術の調査・研究。資格講習、耐震チェックプログラムの紹介。 (kenchiku-bosai.or.jp)
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令和5年度 問1
法第6条の3第1項ただし書の「構造計算に関する高度の専門的知識及び技術を有する者として国土交通省令で定める要件を備える者」(以下、「特定建築基準適合判定資格者」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1.登録特定建築基準適合判定資格者講習の修了者である確認検査員は、特定建築基準適合判定資格者として、法第6条の3第1項ただし書の規定による構造計算に関する審査を行うことができる。
2.構造設計一級建築士である確認検査員は、登録特定建築基準適合判定資格者講習を修了しなければ、法第6条の3第1項ただし書の規定による構造計算に関する審査を行うことはできない。
3.特定行政庁及び指定確認検査機関は、その指揮監督の下にある建築主事及び確認検査員が、特定建築基準適合判定資格者として、法第6条の3第1項ただし書の規定による構造計算に関する審査を行う場合にあっては、その旨を公表することになっている。
4.構造計算適合判定資格者は、特定建築基準適合判定資格者に該当する。
【過去の考査問題の出典】
出典:令和5年度 特定建築基準適合判定資格者講習 修了考査結果 2.考査問題 から引用しました。
解答(案)
解答は、2(誤っているもの)。
カギは、特定建築基準適合判定資格者の「要件」が、建築基準法施行規則第3条の13第1項で「次の各号のいずれか」に該当する者、と定められている点です。講習の修了だけでなく、構造設計一級建築士や構造計算適合判定資格者も“それ自体で”該当します。
第三条の十三 法第六条の三第一項ただし書の国土交通省令で定める要件は、次の各号のいずれか…に該当する者…であることとする。
一 …構造設計一級建築士
二 …構造計算適合判定資格者
三 …登録特定建築基準適合判定資格者講習を修了した者
四 前三号に掲げる者のほか国土交通大臣が定める者
解説
1.〇(正しい)
登録特定建築基準適合判定資格者講習を修了した者は、規則第3条の13第1項第三号に該当します。したがって、講習修了者である確認検査員は、法第6条の3第1項ただし書の構造計算に関する審査を行うことができます。
2.✖(誤り)👉 これが正答
構造設計一級建築士は、規則第3条の13第1項第一号に該当します。つまり、講習を修了しなくても、それ自体で特定建築基準適合判定資格者として審査を行うことができます。「登録特定建築基準適合判定資格者講習を修了しなければ審査できない」とする本肢は誤りです。
「資格を持っていても講習が必須」と思わせるひっかけですが、構造設計一級建築士は一号でそのまま該当します。
3.〇(正しい)
規則第3条の13第2項のとおり、特定行政庁および指定確認検査機関は、その指揮監督の下にある建築主事等・確認検査員等が特定建築基準適合判定資格者として審査を行う場合、その旨をウェブサイトへの掲載その他の適切な方法により公表することとされています。審査の透明性・信頼性を確保するための規定です。
4.〇(正しい)
構造計算適合判定資格者(法第77条の66第1項の登録を受けている者)は、規則第3条の13第1項第二号に該当します。したがって、特定建築基準適合判定資格者に該当します(=この記述は正しい)。
ポイント:要件は「4つのルートのいずれか」
特定建築基準適合判定資格者の要件(規則第3条の13第1項)は、次のいずれかに該当すれば満たされます。
- 一号 構造設計一級建築士
- 二号 構造計算適合判定資格者
- 三号 登録特定建築基準適合判定資格者講習を修了した者
- 四号 前三号のほか国土交通大臣が定める者
つまり、構造設計一級建築士・構造計算適合判定資格者は、講習を受けなくてもそれ自体で該当します。「講習修了者だけが特定建築基準適合判定資格者」と思い込むと、②のようなひっかけに引っかかります。
実務補足(差別化ポイント)
条文には「(同項第二号に掲げる確認審査にあつては、第二号)」というかっこ書きがあります。これは、法第6条の3第1項第二号に掲げる確認審査については、二号(構造計算適合判定資格者)のみが要件を満たす、という意味です。対象となる確認審査によって使える“号”が変わる点に注意してください(詳細は条文をご確認ください)。
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