がけに隣接する敷地の建築について

よく「がけ条例」と言われることが多い感じがしますが、敷地の安全についても、建築基準法で規定されているので調べてみました。

根拠条文は、建築基準法第19条第4項

建築基準法において、第2章”建築物の敷地、構造及び建築設備”から単体規定として、建築物単体として守らなければいけない規定を単体規定として定められています。

その最初の条文として、法第19条”敷地の衛生および安全”があり、法第19条第4項では、”建築物ががけ崩れ等による被害を受けるおそれのある場合においては、擁壁の設置その他安全上適当な措置を講じなければならない。”とあり、がけ崩れ等に対する措置を規定しています。

建築基準法の第1条で、

第一条(目的)この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする

目的として、建築物の敷地に関する基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図ることを目的としており、敷地の安全についても記載されております。

基準はどこに書いてあるか・・・それは”条例”で制限されている

がけ地について、建築基準法に技術的な基準は定められていません。では、どこで規定されているかというと、法第40条で、

(地方公共団体の条例による制限の附加)

第四十条 地方公共団体は、その地方の気候若しくは風土の特殊性又は特殊建築物の用途若しくは規模に因り、この章の規定又はこれに基く命令の規定のみによつては建築物の安全、防火又は衛生の目的を充分に達し難いと認める場合においては、条例で、建築物の敷地、構造又は建築設備に関して安全上、防火上又は衛生上必要な制限を附加することができる。

とされており、地方公共団体(○○県)が○○県建築基準法施行条例を定めて制限していることが多いです。なので、各県によって違いがあるので、注意が必要です。

がけ条例の内容は

各県の条例によって違いはありますが、おおむね以下のような規定が設けられていることが多いです。

  • ”がけ”の定義
  • がけ地の一定の形状や土質の”がけ”に近接して建築する場合や敷地を造成する場合の規定
  • 高さ2mを超える擁壁を築造する場合に法施行令第142条の規定以外に擁壁の構造に関する規定を付加している
  • がけ上にある敷地の排水に関する規定

不動産会社さんが調べて、重要事項説明書に記載される場合も多いようですが、各県で地域性を考慮して付加している条例になるので、建築計画をされる際には、建築士が調査して計画されることが重要だと感じます。

特にがけがどのように崩れるかの考え方が違って、がけ下、がけ上で話して建てる距離の考え方が違うので、特に注意する必要があります。

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